みなさんは、“石ころ”っていう言葉を聞いて、どんなことを想像するでしょうか?
丸い、重い、軽い、つるつる、ぎざぎざ、硬い・・・・・・・、はたまた、ふと、自分の幼い頃にした石けりを思い出された方もおられるでしょう。私たちの身の回りの石や土について、少しだけ考えてみましょう。
昔は、高校の理科は、物理・科学・地学・生物に分かれており、1年と2年で全てを勉強しました。で、3年生になって選択科目になったと思います。ところが、現在では、総合的に理科を教えることとなり、「地学」を専門で勉強することはなくなりました。したがって、大学では、「地学」を専攻する学生がほとんどいないということで、大学の先生は、学生を集めるのに大変なんだそうです。
さて、話は余談になりましたが、地学で少し勉強をされているので、石の名前はいろいろご存じだと思います。花崗岩、安山岩、凝灰岩、砂岩・・・・・。あげればきりがないほどあります。でも、実際に野外に出て、子の石の種類は何かと聞かれたときに、答えられる方は非常に少ないと思います。えっ、「おまえはどうか?」ですって? まぁ、地学班のはしくれでありながら、・・・・・・です。
で、今回は、「河川の石」とその「仲間分け」について、ちょっとお話をすることにします。
調べ方は、川原に行き、自然のままで人間が手を加えていないと思われる所を探し(実は、これが難しい!!!!)、一辺が1mの正方形になるようにひもを張ります。これは、一辺が1mの木の枠を作って持っていけば、もっと楽です。次に、そこにまんべんなくスプレーをかけます。そして、そのスプレーのかかった石を全て調査するのです。ここで、スプレーをかける必要がなぜあるのかというと、表面から見えている石を全て調査するという事です。石の下になっていて見えない石は、対象にならないのです。そのあたりが、難しいところです。
で、調査の対象の石が決まったら、まず、粒の大きさを分けます。川原の石ころは、上流から流されてくるときに、割られ、削られて、少しずつ形が変わっていきますが、その形は、たいてい同じです。横から見ると、薄っぺらい楕円で、上から見ると、円に近い楕円形です。で、初めは、一番長い長さを測り、分類します。
2の累乗、すなわち、1mm、2mm、4mm、8mm、・・・・というような境目で分けます。
次に、今度はそれぞれの石の名前を同定します。花崗岩ですとか、砂岩ですとか・・・・。実は、ここが難しいのです。私も、残念ながら自信ありません。
で、こうして、どんな大きさの石が多いか、どんな種類が多いか、種類によって大きさはどう違うかなどを比較することができます。
もちろん、皆さんは、上流の方が粒は大きく、下流に行けば行くほど小さくなることはご存じでしょうが、やはり、石の種類によって硬さが違うので、早く小さくなる石と、最後まで砂にならず石で残る物もあるわけです。
地学班での調査は、かなりたくさんのデータが残っているはずですので、それをwebで公開できればなぁと思っております。まぁ、いつになるやら・・・・・・。
下の写真は、今年の夏に巡検で行った犬山の川原で撮影したものです。この写真ではわかりにくいですが、写真をクリックすると写真が拡大されます。すると、よくわかると思います。さて、問題の前に、石の様子を良く見てください。ほとんどの石が、ある方向に、並んでいるのがおわかりになるでしょうか。ちょうど、右上がりの状態で、全ての石が重なっているはずです。さて、では問題です。
この川の流れは、右から左でしょうか、左から右でしょうか。
さて、おわかりになりますか? ヒントは、どのような状態の時、石は安定し、流されにくいかを考えればわかると思います。
クイズ
地学といっても、かたいお話ばかりでは退屈しますので、ここで、クイズです。
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