車社会の現代。実に便利な道具です。重たいものも簡単に運べるし、雨が降っても大丈夫。で、ついそこまで行くのも、車を使ってしまう。できれば、歩ける範囲なら、手で持てる程度の買い物なら、歩いていく方が、エネルギーの節約にもなるし、地球温暖化の防止にもなるし、何より、健康のために良い。運動不足の私なんか、絶対です。しかし、これは、誰にも当てはまるんでしょうか。
私の勤務している学校には、車椅子を使っている子どもが二人います。この子たちに、冬の冷たい雨の中、「車を使うのは良くないです。」と誰が言えるでしょうか。車椅子で生活する人にとって、車は大切な足です。子どもは自分で運転はできませんが、車に乗ることにより、この子たちの世界はずいぶん広がっていくことでしょう。この人たちに、「車に乗らないのはエコ!!」って言えないですよね。
また、毎日タクシーで通学している子もいます。内的疾患のため、きつい日射にあたってはいけないのです。もちろん、運動もだめです。したがって、歩いて通学できないのです。
友人に、「駐車禁止指定除外」というカードをもった方がおられます。足が悪いためです。ゆっくりなら歩けるんですが、重いものを持つのは大変だそうです。時々、日本橋に無線機やコンピュータなどを一緒に見に行ったりします。もちろん、「駐車禁止指定除外」のカードを持っているので、道路に駐車してもかまわないのですが、彼は、きちんと有料駐車場に車を入れます。で、ゆっくり歩いて買い物をします。で、大きなものや重いものを買い物したら、店にそのまま置いといてもらいます。で、買い物が全部終わってから、車をその店の前まで回して、車に乗っけます。その時は、「駐車禁止指定除外」のカードを出して。友人は、「他の人に迷惑になることは、極力したくないから。」
さて、そう考えていくと、何がエコなのかと考えると、その人の置かれている環境、立場などにより、ずいぶん違ってくることに気づきます。したがって、一律に押しつけることなどできないと思うのです。だから、自分で、自分のできる範囲で、環境に優しい行動をとることを考えねばならないと思います。決して、人に押しつけるものではないと思います。
学校の授業の中で、「押しつけ」ていないか、絶えず注意を払う必要があると思いました。
1998年11月28日