缶 スチール缶やアルミ缶は、リサイクル率が非常に高いです。エネルギー効率を考えても、特にアルミ缶は優秀です。ボーキサイトからアルミニウムを精錬するときには、多量の電気が必要です。というのも、アルミニウムは高い温度でないと溶けないので、電気炉で精錬されているのです。そういうことから、水力発電所に近い北陸地方に、アルミ工業が発達しているのは頷けます。さて、話がそれましたが、アルミ缶をリサイクルすれば、ボーキサイトから精錬するときに比べ、じつに3/100の電気の量で再びアルミニウムになります。したがって、エネルギーの節約という意味では、大きな効果があります。
しかしながら、問題点もあります。というのも、アルミ缶は普通、2ピース缶が多いですね。胴や底の部分が一体となっており、蓋がついているものです。で、この胴や底の部分と、蓋の部分では、若干、成分が違うのです。胴や底の部分は、できるたけ裂けないように、柔らかい性質になっています。ところが、蓋の部分は、飲み口を開けるときに簡単に開くように、やや堅い材質になっています。そういう性質を出すために他の金属がほんの少し混ぜてあるのですが、その違いのため、リサイクルされたアルミニウムは、やや純度が低いのです。したがって、最近までは、アルミニウム缶のリサイクルで再びアルミニウム缶を作ることはでき無かったそうです。でも、今はできるようになったそうです。しかしながら、リサイクル率が良くなったことで、アルミニウムがだぶつき、値段が非常に下がっているそうです。
さて、鉄はどうでしょう。缶だけでなく、もっといろいろなところから、鉄のリサイクルは行われています。しかしながら、最近はリサイクルが進み、だぶついている状態です。また、鉄も、精錬の際に炭素を少しだけ混ぜるのですが、その割合によって、硬さが違ってきます。その違いが、リサイクルした時には、不純物がたくさん混じっていることになり、結局は、鉄筋などの純度が低くても良いものにリサイクルされることになります。でも、鉄のリサイクルの市場は暴落しており、値段がつかなくなってきているそうです。
新聞紙 新聞紙のリサイクルは、一番古くから行われていましたね。集められた新聞紙は、再び製紙工場に送られて、バージンパルプに混ぜて、再び新聞紙になります。しかし、この課程で、インクを洗うために洗剤が使われています。これは、実は水質汚染につながっているのです。また、最近はリサイクルが進んで古紙の値段が暴落し、値段があわなくなってきています。したがって、古新聞紙が海外へ輸出されているのです。古紙のまま置いておくと倉庫代がかかるし、紙も悪くなります。したがって、輸送費が高くつくそうですが、まだましだということです。これって、ゴミを輸出していることにならないのかなぁと思ってしまいます。みなさん、どう思われます?
さて、最近問題になっていることに、もう一つあります。雑誌のリサイクルで問題になっているのが、ダイレクトメールで送られてくる雑誌です。いろいろなところから、雑誌のダイレクトメールが送られてきます。その中に、ビニル袋に入ったものが増えています。数年前に、郵便関係のきまりが改正になり、ビニルの封筒も認められるようになってから、どんどん増えています。で、リサイクルに出すときに、そのまま出されることが増えているそうです。そうしたら、そのままではリサイクルができず、ひとつひとつビニルを破いてリサイクルせねばならず、その手間は大変なものだそうです。これって、みんなの心がけ次第だと思うのですが。
どの材質のリサイクルもそうですが、出すときに、きちんとして出せば、もっとリサイクルのコストが減ると思うのですが。いかがでしょうか。もちろん、リサイクルを考える前に、もっと消費量を減らすことを考えるのが先決でしょうが。
1998年11月28日
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