色のついた炎
(目的)
4年生では、アルコールランプの使い方を勉強します。正しく使えば怖くないのですが、こぼしたり、また、蒸気になったアルコールは怖い(→アルコールロケット)ことを知りましょう。
(準備物)
蒸発皿、炎色反応を示す薬品、メチルアルコール、ガスマッチ
(実験1)〜アルコールの炎
アルコールランプの炎は、黄色く見えます。したがって、火がついているかどうかは見えます。しかし、机にこぼしたアルコールに火がついたらどうでしょう。
- 蒸発皿に少しメチルアルコールを入れます。
- 乾いた雑巾を下に敷き、上に蒸発皿をのせ、ガスマッチでアルコールに火をつけ、観察しましょう。この時、アルコールの炎はほとんど見えないのです。
- 教室の暗幕を全部締めてみましょう。アルコールの炎を確認しましょう。
(解説)
アルコールの炎は、昼間の明るいときにはほとんど見えません。したがって、アルコールを机にこぼしてしまったときには、よほど注意を払わないと、もしもそれに火がついても気づきません。したがって、アルコールランプの扱いには、細心の注意が必要です。
(実験2)
実験1に続き、色の炎を楽しみましょう。
事前に、炎色反応が起こる薬品をメチルアルコールに溶かしておきます。それを蒸発皿に入れ、実験1と同じように火をつけてみましょう。もちろん、暗幕を引いた暗い状態でやって下さい。
<青>メチルアルコールのみ
<赤>塩化リチウム(深紅。ストロンチウムよりやや暗い赤。)
塩化ストロンチウム(真っ赤)
<黄緑>ホウ酸
<黄緑>塩化銅、硫酸銅など(塩化銅の方が安全)
<薄紫>ヨウ化カリウム(とても綺麗だが、非常に溶けにくい)
(注意)
- 基本的には、混ぜる比は、メチルアルコール50gに多々対して、薬品を3g溶かします。実際には、もっと少ない量でよいので、この比率でつくってください。メチルアルコールが50gで作ると、30分くらい燃えています。
- 上記の分量にステアリン酸3gを加えると、白く固まります。ちょうど、旅館に泊まった時、料理に出てくる固形燃料のようになります。野外へ出るときは、それをアイスボックスに入れて持っていきます。そのまま持っていきますと、少し温度が上がるとステアリン酸が溶けて悲惨な目に遭います。(経験済み!)
- 銅の場合は、茶色の瓶(塩酸などが入っている瓶)に保存しないこと。茶色の瓶は鉄で色をつけています。したがって、酸化還元反応が起こり、鉄が溶けだして銅が沈殿します。結果、鉄の黄色い火花が飛びます。したがって、蒸発皿の代わりに、水ようかんなどの金属カップでやるのも不可です。銅以外はOKです。野外へ持って出るときは、水ようかんの金属カップは便利ですが・・・・。
- 学校行事でキャンプに行くときに、これを使うと感動します。キャンプファイヤーのトーチに、灯油の代わりにこれをしみこませます。で、火をつけると・・・・。綺麗ですよ。お勧めは、[アルコールのみ][塩化リチウムか塩化ストロンチウムの赤][銅の黄緑]の三色です。ただし、銅は針金と酸化還元反応を起こしますので、トーチを、銅の針金を使って作っておく必要があります。新しいちょっと分厚い目の雑巾で作ります。薬品はその場で調合します。つける直前に雑巾にしみこませて、軽く振ってから火をつけます。そうしないと、アルコールが垂れてきて危険です。万が一のために、もしたれてきたら、先を下げるように指導しておきましょう。アルコールの付け方にもよりますが、1分程度は持ちます。それ以上つけていると、雑巾が燃えだして、黄色い炎が見えだしますので・・・・。